第6章 思い出
あーどうしよう。
学校の帰り道、彼の横であたしは悩んでいた。
気づけば今日は24日。
誠也君の誕生日だ。
例の物は出来た。
出来たけど…どうやったら彼は喜ぶたろう。
「どうした?」
無口になってるあたしに彼は尋ねた。
「え…ううん、何でもない!!」
あたしは笑顔で応えた。
「ならいいけど、今日も俺んちくる?」
「うん。」
「よかった。つーか、その紙袋何?」
「え?」
彼はあたしの右手にある紙袋を見た。
「何でもないっ!!」
あわててそれを隠す。
「ふーん、そっか。」
そう言うと彼は煙草を吸い始めた。