第6章 思い出
数日後。
「おはよ、桜ちゃん。」
「あ、藤崎先輩、おはようございます。」
校門のところで、藤崎先輩に会った。
「あいつの様子どう?」
「なんかすごい元気です。怪我してるって思えないぐらいに。」
あれから、あたしは夕方毎日病院に通っている。
もちろん、彼に会うために。
それに、例のものはコツコツとやっている。
これは秘密だが。
「ハハ、アイツらしい。…ところでさ、今度俺と…―――。」
「だから、人の女口説いてんじゃねぇ。」
藤崎先輩があたしの肩に触れようとした時声がした。
「誠也!?お前病院は!?」
「あんなところでゴロゴロ寝てられっか。桜におめぇみたいなのがよりつくからな。つーか、離れろ!!」
彼はあたしから藤崎先輩を引き離した。
そして、そこへ自分が入った。
「妬くな妬くな。」
「妬いてねーよ!!つかいつの間に桜と仲良くなってんだ、てめーは!!」
「良いじゃん。お前の女は俺にとっては家族なんだから。だから、桜ちゃん、けー番教えて。」
「はい、良いですよ。」
「全然ちげーし。つか、何勝手に人の女に番号聞いてんだ。……て、教えんな桜!!」
今朝はいつもよりちょっぴり楽しかった。