• テキストサイズ

レッテル 1

第6章 思い出




「ところで、極使天馬の3ヶ条を覚えてるか?」

藤崎さんは、灰を灰皿に落とした。

「はい!!」

「言ってみろ。」

「1、女、子供、老人には手をあげない。2、裏切り禁止3、仲間を大事にしろ。」

「そうだ。俺等は族であって仲間だ。家族みてぇなもんだ。だから、守るのはあたりめぇだろ。けど、もう勝手な真似はすんじゃねぇぞ?分かったな?」

「はい。」

「…ところで、朝日さん?」

「えっはい!!」

突然藤崎さんに話をふられてあたしは焦った。

「あいつのどこが好きなわけ?」

「え?」

「だってさ、あいつ無愛想じゃん昔から。だから、女にモテねぇんだよ。」

「誠也君は…あたしの前じゃよく笑ってくれるんです。それにあの大きな手が大好きなんです。」

あたしは笑った。

「マジで?あいつがよく笑う?ありえねー!!」

西村と呼ばれた人は驚いていた。

「それにしても、あんた可愛いからアイツも大変だろうな。」

煙草の火を消しながら藤崎さんが言った。

「かっ可愛くないです。」

「いや、可愛いって。あいつの彼女じゃなかったら―――」

「人の女口説いてんじゃねーよ、拓。」

後ろから聞き覚えのある声がした。

「誠也!?お前起きてたんか!?」

「あたりめーだ。くたばってたまるかよ。」

誠也君は藤崎さんの隣に座って煙草を吸い始めた。

「煙草はダメ、傷によくない。」

あたしは彼の口から煙草を取り上げた。

そして、灰皿で消した。

「……はい。」

「彼女に頭が上がらねーな。県内最強が聞いてあきれるわ。」

ハハハと皆が笑った。

/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp