第6章 思い出
誠也君は立派だ。
立派に仲間を守ってる。
あたしは、そう思った。
「俺のせいだっ!!俺が足手まといにならなければ…。」
「お前のせいじゃねーよ。」
階段を降りてきた藤崎さんが言った。
「あいつはそういいう奴なんだよ、昔っから。」
「藤崎さん…。」
悔し涙を流しながら渡辺さんは藤崎さんを見た。
「俺はあいつのそういうところに惹かれてついていってる。」
「俺もそうだ。あいつ、見た目はこえーけどさ、根は優しいんだ。」
藤崎さんに続くように金髪の人が降りてきた。
「西村さん…。」
「たぶん皆もそうだと思う。」
藤崎さんはソファーに座って煙草を吸い始めた。
「だからさ、気にすんなよ。」
煙を吐いた藤崎さんは笑った。