第57章 屈強な男達の闘い
「おどれも卑怯やの、人質とるいうんはなかなかやで。」
堀田とは違うもう一人の男を江田が見ている。
「あいつが、小娘一人に溺れてるいうんは正直驚いたけどな。」
男の手の中にいるスヤスヤと眠る少女の顔に触れた。
「いい子だから、俺は胸が痛むわ。」
堀田が胸を押さえている。
「ええ子って族の小娘がか?それこそ笑えるわ。」
「俺に飯くれるわ、金くれるわ、可愛いわで……なんか欲しくなった。いらなくなったらくれよ。」
「なんや、小娘を嫁にでもするんかい。」
「あぁ、それいいな。そこまで考えてなかった、オッサン頭いいな。」
「そのオッサン言うのやめれや。」
江田がため息を吐いた。
「じゃあ、何て言うんだよ。」
「江田さん、もしくは江田の兄貴や。」
「はいはい、オッサン。」
「……もうええわ。」
再び溜め息を吐いた。