第57章 屈強な男達の闘い
少し前。
「おうおう、高いのぅ。ここやったら、岩中が破滅するんがよう見えるわ。」
上を見上げながら車を降りた江田が笑いながら言った。
「お前も来るか?」
そう言って車内にいるレイかに目を向ける。
「いえ。」
レイカは小さく首を横に振った。
「したら、行くで。さっさとかくし弾、連れて来いや。」
そう言って江田が建物の中へ入っていく。
続くように他の者もついていった。
「江田のオッサンも派手にやるな。」
かッかッかッと笑いながら隣を歩いている堀田が笑った。
「雨天中止言うおどれのが笑えるわ。」
そう鼻で笑いつつも目は笑っていない。
威圧的に堀田を見ている。
「濡れるのが嫌なんだよ。雨も滴るいい男って言ってもダメだからな。」
まだ笑っている。
「誰も言っとらんわ。」
エレベーターのボタンを押す。
他の者も別のエレベーターのボタンを押す。
今この建物の全てのエレベーターが江田派の人間が独占した。