第57章 屈強な男達の闘い
「勝てると思うか?」
窓の外を眺めながら藤堂が言った。
「さぁな。……まぁ、五分と言ったところか。」
隣に立つ宗次郎も眺めている。
「なんで、五分なん?」
不思議そうに藤堂が宗次郎を見た。
「隆盛が迷わず此方へ来ているからだと言う事だろ。此方の手は全て奴に見抜かれている。」
ソファーに座る白川が淡々と言った。
「また裏切り者とかいうやつか。なんで、あんたらその裏切り者野放しにしてんだよ。俺なら見つけ出してケジメつけさせるけどな。」
壁に背を預けて立っている誠也が口を開いた。
「それは暴走族の中での話だろ。極道はそんなに単純じゃない。それにそろそろ尻尾を出す頃だ。」
ガシャンッ―――――
白川の声と同時に破壊音が聞こえてきた。
「なんだよ!?」
誠也が驚いている。
しかし、他の3人は落ち着いていた。
「他の従業員逃がしといて正解やった。」
ヘラヘラと藤堂が笑っている。
「派手にやってくれるな。」
刀を握りながらクスリと宗次郎も笑っている。
「小童、お前もハジキ持つか?」
白川が誠也を見た。
「だから、俺は素手で充分だ。」
拳を握りしめながら白川を見ている。
「勢いがあるのはいいが巻き込まれても知らんぞ。」
白川は懐から拳銃を取り出した。