第57章 屈強な男達の闘い
ズシャアッ―――
肉を切り裂く音。
切り開かれた傷口から鮮血がダラダラと出ている。
「番犬の力思いしったかぁッ!!岩中の地は一歩も踏ませへんで!!」
ブシュうッ―――
ドスの尖った先端部分が敵の肉を貫いた。
ブシャアッ―――
一気に引き抜く。
バコッ―――
その勢いで後ろの男に蹴りを入れた。
草履を履いた足が地面を擦る。
「なんや、どんどんどんどんわき出てくるのぉ。ゾンビかッ!!」
そう言いつつも敵を倒す。
しかし、数に差がありすぎる為、劣勢で状況は芳しくない。
「犬は不利な時こそ燃えるもんやでッ!!」
仲間の士気を上げるかのごとく、加藤は吠えた。
「うっスッ!!」
返事をしつつ、味方が前へと進んでいく。