第57章 屈強な男達の闘い
気づけばもう、次々と涌き出ていた敵は、数名しかいなくなっていた。
その中心で、ギラリと太陽に反射するサングラスを身につけた男が立っている。
―――コイツは他の奴とは違う。
第六感と多くの経験が、そう叫んでいる。
影から身を出し、汚れた雲の間から顔を出す太陽に照らされながら、畠中はその者を睨み着けた。
まるで縄張り争いをする獣のように。
「岩中の若頭か?」
男の口が開いた。
「いや、俺は白川組若頭の畠中だ。」
首を横に振りながらも、銃口はしっかりと相手をとらえている。
「そっか。岩中の首俺が持ち帰ろうと思ったんやけどなぁ。」
それに怯えることなく、男がガシガシと頭を掻いた。
「どこの組の者だ?」
「上谷。」
男、いや上谷はそう答えると、クルクルと拳銃を弄んだ。
「上谷……まぁ、いい。お前を殺ればここは死守出来る。」
引き金に指をかけた。
パァンッ―――
銃声が鳴り響く。
自分の者ではない。
肩に重たい衝撃を喰らう。
相手に目を向ければ、銃口の先から煙が出ていた。
―――いつの間に
畠中は眉間にシワを寄せた。