第5章 2人の距離 5
「だって、由梨いつもより俺と居たいみたいだし?」
わざとそう言って頬を撫でる恥ずかしそうに目を逸らした
そしてゆっくりとさっきまであった出来事を話していく
最後の方には少し衝撃的な事を言い出した
「それで、さっき輝さんが私のことを好きだったと言われて。私、全然そんなこと気付かなくて申し訳無くて」
「ん?ちょっと待って。」
ストップをかけると話すのをやめ不思議そうな顔をするので思わず、はぁぁ。とため息を漏らす
え?なんですか?と本当に分からなさそうにするのでここまでくると苦笑いしかでてこない
「いや、俺のライバル何人いんだよって思って。」
意味がわからないという顔をすると続けて言った。
「俺でしょ?楓ちゃんでしょ?雪乃さんでしょ?…あとその輝さんって人?随分おモテだこと。」
ニヤっとしながらそう言うと一瞬フリーズして直ぐに慌てだした
「え?…いやいやいや!なんか色々間違ってますよ!楓さん女性だし!」
楓ちゃんを否定するのでフフッと笑う
「いや、男だから。そもそもね。…ていうかあなたプロポーズされてんでしょ」
驚いた顔をする由梨は、な、なんでそれ知ってんですか?と聞くのでニヤニヤしながら、楓ちゃんに聞いた。と言うと、それはそうだろうけど。と仕方なくと言った感じで認めていた
「というか、一番間違ってるのは空さんですよ!空さんはそんなんじゃ、「ベストビジネスパートナーでしょ?」」
被せるように言うとまた目を見開きびっくりする
「な、なんで知ってんですか?」
楓ちゃんの時と全く同じ反応をするのでクフフッと吹き出す
そして携帯の以前雪乃さんと撮った写真を見せると、これは…。と答えを求めるように俺を見る
「俺さー。飲み友達になっちゃったのよ。知らなかったでしょ。」
笑いながらそう言うと、はい。と頷く由梨
「その時聞いたんだよね。ベストビジネスパートナー」
フフッと笑い再度、ほんとおモテになってね。とニヤニヤすると敗北感いっぱいの顔で、滅相もございません。と言う
諦めた由梨の顔は本当に面白くて唆られる。
でもそろそろ可哀想かなと思いよしよしと頭を撫でた