第5章 2人の距離 5
「わかってます。なんとか続けさせたいんで色々と協力お願い出来ないですか?」
俺の言葉を聞くと、う〜ん。と考え込む雪乃さん
「わかったけど。ちょっと聞きたい事あんだけど」
そう言う雪乃さんは真剣そのもので少し背筋が伸びた気がした
「俺さ、血が繋がってる訳ではないけれど妹の様に大事にしてんだよ。由梨のこと。後ついでに言うと由梨の過去も何となく知ってる」
ゴクッと唾を飲み込む。
まるで由梨の親に挨拶に来ている様な気分だ
「正直今の状態で完全に二宮さんに由梨を任せるかって言ったら俺にはそれは出来ない。」
そんな事を言う雪乃さんは本当に由梨を大事に思っているのだろう。
でもそれは俺も同じだから
「ほぼほぼ初対面だからしょうがないですよ。それは。…でも俺は任される気も奪い取る気もないです。由梨の意思で今雪乃さんに付いているのだから。それは由梨にとって大事な場所だと思ってます。」
俺がそう言うと対戦モードだった雪乃さんは拍子抜けの様な顔を見せた
「なんか。面白いな。二宮さんって。…そっか。なんか安心した。」
どーもです。と返し再度グラスを掲げて乾杯をして飲むとニヤニヤ笑いだした
「で。…弄り倒してんの?」
多分この人は俺の本質を見抜いてそう言ってるのだろう
「いやー。多分想像通りだから。…もう楽しくて。楽しくて。」
俺もニヤつきながらそう言うと、やっぱりなー。とケラケラ笑い出す
「まあ、でも。さっきの話しだけど協力はするよ。でも!俺らベストビジネスパートナーだから。辞めさせないよ〜?」
未だにケラケラ笑ってる雪乃さんに、なんだそれ。と言うと雪乃さんの専属になった頃からの話らしくて。
今度これで弄ってやろう。
そのあとは雪乃さんに証拠写真として2人で写真を撮り、これでまた弄る材料が増えた。とニヤつきながら言うと、やるなー。とケラケラ笑う雪乃さん。
次の日また楓ちゃんがヘアメイクだったので雪乃さんとの話をした
「雪乃くんとねー。…というか仲良くやってんの?ちゃんと」
ちゃんとの意味がわからないけど、えー。まあ。ぼちぼちと。と言うと、つまんなーい。とつーんとする楓ちゃん