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2人の距離〜和さん目線〜

第4章 2人の距離 4



次の日昼前には家を出て車に乗り込む

相変わらず由梨は後部座席で見えない様にか少し浅めに座っていた
そんな姿がやっぱり面白くてクスッと笑うが由梨は俺の家に行くという一大事件に気をとられ気づいていなかった


「あー。そうそう。言い忘れてたけど、姉ちゃん帰って来てんだわ。今日」
俺がそう言うと、へっ?…あ、そうなんですか。となんとも当たり障りない返し

「フフッ。そんな緊張しないといけない様な相手じゃないから。うちの家族。そうでもないよ?言っても」
俺の言い方が面白かったのかクスッと笑い、それ失礼ですよ。と言う由梨に、それくらいで失礼なら俺結構失礼な男よ?と返すとアハハッと吹き出した




それからは緊張は解れたみたいで実家に着く頃には無事にいつもの由梨に戻っていた


「あなたが由梨ちゃんね〜。和から話は聞いてるわっ。ゆっくりしてってね」
家に入り玄関先でそう言う母さん

何故か姉ちゃんも出迎えに来て俺そっちのけで由梨に挨拶するといつも通り安定の深々と挨拶する由梨に隠れてクスッと笑った

すると、言ってた通りね。と姉ちゃんも笑っていて、不思議そうなちょっと心配顔をして俺を見る由梨にフフッと笑いながら

「礼儀正しい子だからって言っただけだから。変なことは言ってないよ」
ホッとした顔をする由梨にまたフフッと笑いかけた



リビングで寛いでいると姉ちゃんが来て急に、へへぇー。となんとも気持ちの悪い笑い方をするから、なんだよ。とあしらった
由梨は母さんの手伝いをしたいと言い母さんに連れられキッチンに向かった


「和には勿体無いよね。由梨ちゃん」
ニヤッとしながらそう言う姉ちゃんに、はぁ。と溜息で返す
別に居なくても良かったのに。なんでこの人今日いるのよ


「なに?気に入ったの?ないと思うけど虐めないでよ。…それ、俺の役目ですから」
そう言うと今度は姉ちゃんが溜息をつく

「あんたねー。…いや、わからなくもないけど。良くその性格で由梨ちゃん着いていけるよね。ほんと感心する」
腕を組んでわざとらしくウンウンと頷く姉ちゃんを横目にチラッと睨みゲームを開いて完全に姉ちゃんをシャットアウトすると、もう聞く気がないとわかったのかキッチンに向かっていった

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