第4章 2人の距離 4
唇をなぞっていた指をそっと握った
危ない。
何時もの由梨の雰囲気とは違っていて、危うく襲いそうになった。
「…そうだな。そしたらキスくらい。貰っちゃいましょーか。」
ちょっとふざけて言うとフフッと笑いながらはい。と答えた
その後また軽くキスして立ち上がり寝巻きから私服に着替え仕事に行く準備をはじめると上半身だけ起こして、すみません。全然身体休めてないですね。と言う由梨
え?といい頭をぽりぽりして、本当は居たらちょっと話しようと思ってただけだったんだけど。と言い由梨に近づいて今度は逆に由梨の唇に指を当てた
「まあ、でも。寝てなくても癒されたよ。…色々と。」
わざとそう言うと少し驚いて顔を赤くするのでクフフッと思わず吹き出した。
その後、行ってきます。と仕事に戻ろうとして思いついた事があり
「そいやさー。…俺、呼び方とか別にあまり気にしない方なんだけど。そろそろ名前で呼んでよ。じゃ、考えといてねー。」
手をひらひらさせ答えを聞かずに家を出た
その日は思ったよりも早く仕事も済み家に入るとキッチンから美味そうなにおいがした。
「…腹減った〜」
ソファに座りゲームを始めようとしたらもう出来ると言うのでキッチンまできて今日のメニューを一通り把握し食器運びを率先して手伝った。
「早かったですね」
食事を済ませ後片付けをしている由梨にそう言われ、いや〜今日は巻いたね〜。とゲームをしながらニヤついた
一緒にベッドに入って話をしているとその日は何故か親の話になった。
由梨は両親は早くに亡くしてるという。
親戚の家に住んでいたと言うと由梨は少し悲しそうな顔をしていた。
あんまり良い思い出はないみたいだ。
「和さんのご両親はどんな方なんですか?」
俺が帰ってきてからニノさんが和さんに変わっていて。
いや、そんな変わり方かよと思ったけど由梨らしくてまぁいっかと思った
「俺の?…いや。普通よ?別にこれと言って面白くもないし。普通の親」
両手を組み頭の下に置いて上を向いているとそっと横にぴったりとくっついてくる由梨