第4章 2人の距離 4
その日は取材やらなんやら立て込んでて次の日もレコーディングという強行スケジュールだった。
昼過ぎに一旦帰る事ができて。
当然のように由梨の家に帰るとシャワーの音がした。
あれ、由梨も今帰りか。
服を脱ぎ捨て寝巻きに着替えベッドに潜り込むと既にうとうとしていると隣に暖かい温もり。
ゆっくり目を開けて、お帰り、と言うと、ただいま帰りました。とニコっとされた
思い切り背伸びをし、由梨に抱きつくとそっと控えめに抱きしめ返してくれる。
以前までは俺が一方的に抱きしめていたのが最近は控えめだけど答えてくれる。
布団がまだ冷たかったのか身震いする由梨によしよしと背中を撫でていると今帰りか聞かれたので目を瞑りながらうん。と答える
お疲れ様です。と言うので、由梨もね。と返した。
話していたら少し目が覚めてしまったので由梨の頭に顎を乗せてカクカクと動かしちょっと遊んでみる
ちょっと緊張したのか固まる身体。
もうちょっと弄ってやろうと思い
「由梨〜。…もうちょいきつめに抱きしめてくんない?」
ピクッと反応する由梨が面白くで思わずクフフッと笑った
それでもおずおずと軽く抱きしめていた手をしっかり背中まで回しギュっとする由梨
抱きとめる様にぎゅーっと抱きしめていた腕の力を強くした
「由梨今日は何時から?」
明日です。と答える由梨に外食に誘った
「最近家ばっかだもんな。俺はそれの方が好き勝手出来るから好きなんだけどね。」
本当は家にいる方が落ち着けるしゲームできるしいんだけどね。
「あれ、ニノさんはお仕事残ってるんですか?」
うん。と答えると外食は断られた。
「疲れてるんですから。何か作りますよ?…それに、私も家でゆっくりするの好きですから」
同じ思いな事が少し嬉しくて隠すように、あーそう?と言うと、はい。と微笑む由梨
由梨と一緒にいてわかったけどこの人も結構出不精気質がある。
冷蔵庫に良くつまみやら缶チューハイやらストックしてあるし誘われない限りは自分から飲みに行こうだとか、どっかに出掛けようとか話を聞かないししているところを見た事がない。
ちょっと俺に似てんだよな、その辺り。