第4章 2人の距離 4
「楓ちゃん。……雄がでてる」
冷静ににっこり笑いながらそう言うと突然泣き出したのでよしよしと抱きしめてあげた。
由梨がいつもやってあげていたみたいに。
「えっ。ちょっと待ってよ!そこで泣く⁈」
戸惑いながら押し退けられたリーダーも楓ちゃんの背中をさすってあげていた
「全く。話が見えないんですが。」
潤くんがそう言うと急にバッと離れる楓ちゃん
「危ない!にのちゃんに騙されるところだった!そんなことされたって許さない!だって私が先にプロポーズしたのよ!」
そう言って俺をキッとまた睨みつける
それよりもなによ。プロポーズって。
「はい?…楓ちゃん。結婚するつもりだったの?」
ちょっと笑いながら言うと楓ちゃんは涙を溜めながらまだ睨んでいる
「そーよっ!私、結婚しようと思ったのよ」
ふんっ!と言いたげな顔をする楓ちゃん
「俺さ、よく分からんけどつまり楓さんはニノにプロポーズしたの?」
なにこの状況。
リーダーがアホな事を言うから思わず吹き出した。
それにつられて、マジかよっ。と絶句の翔さん
つられて笑う潤くん
知っている相葉さんもぽかーんとしている
「何言ってんのよ!!誰がこんな変人と!」
バシッと肩を殴られたリーダーは、いてー。と肩を本当に痛そうに摩っていた
「クフフッ。…ごめん皆んな。巻き込んで」
俺がそう言うと、別に良いんだけど。と言う翔さん
「楓ちゃん。ちゃんと説明してあげるからさ。とりあえず落ち着いて。」
今朝やったみたいに両肩をぽんぽんとすると少し落ち着いた楓ちゃん
「まず何から聞きたいの?」
タバコに火をつけながら聞くとみんなもそれをきっかけにタバコを吸い出した
「まずって。それは勿論ちゃんと真剣に付き合ってるの?」
楓ちゃんがそう言うと、ちょっとストップ。と言う潤くん
「そもそもさ。誰の話ししてんの?」
うんうんとも言いたげな翔さんとおじさん
「え?…あ、そっか。そっからよね。…由梨よ!こいつ今日私が由梨の様子見に行ったら由梨の家にいたのよ!」
俺を指差して言う楓ちゃん。