第4章 2人の距離 4
その後他のメンバーも乗せ目的地に着く頃に由梨から謝るメールがきた。
色々と話してしまったらしい。
車を降りながら電話をかけると直ぐに出る
「すみませんでした。」
「色々とね…想像通りなんだけど」
電話に出て早々に謝る由梨に笑いを堪えながら言う
「まあ、大丈夫よ。俺からも言っとくから。…なんとかなるでしょ」
フフッと笑うと、そう、ですね。と明るく言う由梨
じゃあ、また連絡します。と言って電話を切ると前を歩いてた相葉さんが俺に歩幅を合わせて、もしかしてあれ?と電話の相手を聞いてきたので、そう。と答えてフフッと笑った。
「尋問にあったらしいよ。ほんと想像どおり」
ゲームを開きながらそう言うと、なんで嬉しそうなんだよ。と呆れ声でつっこまれた。
いや、嬉しくはないよ?
由梨の困った顔と焦った顔。
絶対面白かったろうなと想像してしまう。
ただそんだけで声が上擦ってしまう。
その日の夜の撮影。
ヘアメイクは思った通り楓ちゃんで俺らが楽屋に入ると楓ちゃんが俺をキッと睨みつけている
いつもの楓ちゃんとはえらく雰囲気が違っていて何も知らない3人とちょっと知っちゃった若干1名の強張る顔に対して至って平静にゲームをする俺。
ヘッドホンを付けゲームをしていると上からヘッドホンを引き抜かれた
「ちょっと。にのちゃん。私今そんな平常心でいられる状態じゃないのわかってるわよね?わざとでしょ。今のこれ」
ヘッドホンを指差しながらそう言う楓ちゃん
控え室には他のメンバーもいてシーンとした。
幸いマネージャーはいない。
待ち時間もたっぷりあるしこれ以上曖昧にしておくのも楓ちゃんが噴火しそうだったので、そうだね。と言うと俺の隣に座っていたリーダーを押し退け無理やり間に座り俺の胸倉を掴んだ
「え、ちょっと。」
少し知っている相葉さんはどうにか落ち着いてもらおうとして発したが楓ちゃんのキツい睨みにひるんでいた
でもこの状況をちょっと楽しんじゃってる俺は何も言わず。
「マジで。これで遊びだったら殺しかねないから」
楓ちゃんとは思えないくらいドスの効いた声でそう言って俺を睨みつける