第3章 2人の距離3
そして暫く視線を感じたが無視を決め込む
いや、そんな見ないでよ。
穴が開くくらい見つめるので、なによ。と言おうとしたが立ち上がり急に忙しなく動きだした。
ぶつぶつと何か言ってる感じだと明日の準備だろう。
暫く集中してゲームをしていると人の気配を感じない事に気がついた
あれ?
廊下に出て見るとシャーというシャワー音がした。
あぁ。風呂ね。
そんな事を思いながら多分ここだなとシャワーの音がする隣の扉を開けトイレを借りた
そして風呂場を横切ってまたソファに座りゲームを始める
俺がいるのにシャワー浴び始めちゃうあたりきっと後者だったんだなとエレベーターで考えていた事を思い出しニヤつく。
由梨に振られてから結構経つけど、俺まだ好きなんだな。とクスッと思わず笑ってしまう。
そして多分由梨も満更でもないはず。
今までの態度からして気にしてくれていたのは感じていた
そんな事を考えながらゲームをしていると由梨が戻ってきた
曲がった背筋を伸ばしながら欠伸をした。
あー。風呂か。と今知ったかの様に言うと、はい。と答える由梨
「俺も借りようかなー?」
放置してた罰としてふざけて言うと、ギョッとした顔をする由梨
「え…シャワーですか?」
その顔が面白くてふざけ続ける
「んー。ダメ?どうせ家近いし家で入ってもここで入っても一緒だろって」
「いや。ダメって訳ではな、「じゃあ貸してー。タオル用意よろしくお願いします」」そう言って早々に浴室に入って行った。
パパッと服を脱ぎ風呂場に入るとさっきまでお湯が出ていた温もりがあって暖かい。
さっきの由梨めちゃくちゃ面白かったな。
本当に入る気なかったのに入っちゃったよ。
思い出し笑いが止まらない
だめだ。由梨を弄りすぎると気持ち悪いくらいニヤついてしまう
風呂から出てリビングに戻ると由梨はソファを背もたれにして缶チューハイを開けていた
ソファにドサッと座りタオルで髪を拭いているとソファに登り膝立ちして髪を乾かしてくれるので、おぉ。御苦労。とニヤっと笑ってテレビを見ていた。
そして髪を乾かし終わりドライヤーを片付けに行く由梨