第2章 2人の距離2
楓ちゃんとはあれから暫く会っていなくてこんな状態は珍しかった。
だいたい週二ペースは会っていたのにほんと不思議。
それからほどなくして久々の楓ちゃんのヘアメイク中にキッと睨まれた
え、なんだよ。と思いながらも気にしないようにして邪魔にならない程度にゲームをする
「ねぇ。ニノちゃん。この前のニノちゃんの独り言覚えてる?」
え?…あ、ああ。と直ぐに思い出し顔をあげた
「ニノちゃん。…由梨と仲良いの?」
多分他の人は流してしまった由梨の変化を楓ちゃんに話したことでだろう。
楓ちゃんには一切話していないからそりゃ当然と言えば当然だけど
「ん〜。仲良いか?…どうなんでしょう」
フフッと笑いあげていた視線をゲームに戻す
「なにその曖昧な返事。…ほんっと。ニノちゃんってめんどくさいわぁ。」
楓ちゃんがそんなことを言うので思わずクフフッと吹き出したけど黙ってゲームを続けた。
その後楓ちゃんは諦めたのかその話はしてこなかった。
まぁ、どんなに追求されても話してあげないけどね。
それから数週間後、楓ちゃんと由梨がヘアメイクに入ることになった。
最初控え室入ってほんとにびっくりした。
顔色も前より幾らか良くて同時にホッとした。
「すごい懐かしいな。このメンバー。」
ヘアメイク中に感慨深そうに言う潤くんに、今じゃレアよ〜。私と由梨なんて。と嬉しそうな楓ちゃん
今日の楓ちゃんは心底嬉しそうで思わず見えないようにクスッと笑う
「そういえばね。由梨から近況があるのよ。」
楓ちゃんがそう言うと、え?なになに〜?と向かいに座っていた相葉さんが聞き返した
「私、妊娠したんです。」
笑顔で答える由梨
「「「「「えぇぇー!!」」」」」
あまりの衝撃にゲームオーバーの文字が出てるゲーム画面
ちょっと色々被ってきて困るんですけど。
「まじで!おめでとう!」
翔さんが握手を求めそれに答えるために手を止める由梨
気になることがありすぎてゲームに集中出来ない。
それでも話題に入るのが恐ろしくて何度もゲームオーバーの文字を見る
そんな俺の隣でポンっと肩に手を乗せる大野さん
「タバコ、行く?」
そうだね。と言って盛り上がってる楽屋から出て喫煙所に向かった