第2章 2人の距離2
ふぅーー。と煙を吐き出す。
疲れた心にニコチンは最高だな。と思いもう一口吸い込む
大野さんは隣で同じ様にタバコを吸っていたけど特に何かを言うことはなくボーッとしていた。
「今日、飯食いに行かな、「行かない」」
いや、即答かよ。
俺がフフッと笑うと同じ様に笑うリーダー。
大野さんは何も言わないけど、何かを察してあの場から連れ出してくれた様な気がした
それがリーダーだからか妙にリラックスして。
言わないけど、ありがとう。って思った
休憩時間に入り、俺以外は皆んな取材やら喫煙所やらで楽屋から出て行った時由梨から意を決した様に話しかけられた。
「あの!ニノさん。」
その切羽詰まった様な声に反してゲームをしながら返事半分に、ん〜?と力の抜けた返事をした
「私。別れたんです。」
えっ?と思わずゲームから視線を外し由梨を見るとニコッと笑っている
「だから。もう大丈夫です。ちゃんと決心つきました。今まで本当にありがとうございます。」
頭を下げる由梨
俺はありがとうとお礼を言われる様な覚えはなくてとりあえずぽりぽり頭を掻きながら、あー…そっか。ほんと。うん。良かった。と言い、安心した。と更に言って笑うと凄く嬉しそうな顔をしていた。
その顔は既に母親の顔をしている気がした。
由梨の事は未だに好きだし衝撃は受けたけど今の由梨の笑ってる顔を見たらもうどうでも良くなった
好きな子が幸せならいーやー。ってやつ?
ほんとそれ。