第2章 2人の距離2
一番最後に会った由梨はプライベートの由梨だったからその手早さに、あ、そーか。この人ヘアメイクだったわ。と思い返す
念入りというより手早く済ませてほしいのをよく分かっているみたいで流石だな。と思った。
会話も無理に引き出すものではなくてそれなりで。
完全な仕事モードの由梨に合わせて俺もそれにノッて対応する。
「じゃあ、リーダー。お先に」
潤くんがニヤッとしながらタバコを片手にひらひらとさせた
俺の次にリーダーがヘアメイクに入ったタイミングで皆んなで喫煙所に向かう事になりおじさん1人残し4人で控え室を出る
「あー。マジでやめなきゃなー」
喫煙所でタバコを片手にそんな事を言う相葉さん
「口に出して言ってるうちはやめないから」
潤くんがそう突っ込むと、ですね。と翔さん
俺は口にタバコを加えてゲームをしてると、そういえばさー。と翔さん
「あれさ、痩せ方危ないよな。由梨ちゃん」
ちゃんと食ってんのかな。と灰をトンっと落としながら言う
「確かに。…そういえばニノ仲良いんじゃなかったっけ?」
相葉くんがそう言うと、よく飯行くとか言ってたよね。と潤くん
「いや?…最近は、ないな〜。忙しそうだもん。あの人。」
俺の返しに皆んなで、へぇ〜。といかにも興味なくなった様に返事した
この会話を続けたくなくてタバコを適当に消して、大野さん呼んでくる。と言って喫煙所を後にした
楽屋に戻ると大野さんはいなくて由梨が椅子になだれ込む様に座ったのが見えた
「…あれ?大野さんは?」
見回して言う俺に、ついさっき喫煙所に向かいましたけど…。と言う由梨
すれ違いかー。とソファに座りゲームを開いた
皆んなが居ない由梨と俺だけの控え室は居心地が悪かった
気まずい空気が流れる中俺はゲーム。
由梨をチラッと見るとメイク道具の整理をしていてその姿はやっぱりやつれていた。
「…由梨さー。ほんと痩せたな。あの時から。」
俺がそう言うと少し戸惑っている由梨
「え?そ。そうかな…」
お腹の肉を摘んで見て不思議そうにする由梨がさっきの仕事モードではなく完全に素の由梨だと確信する
「んー。痩せたっていうか、やつれた?」
真っ直ぐ見ながら言った