第1章 2人の距離
その日からは時間が合えば良く飯に誘ったりして他のお馴染みメンバーにも紹介し由梨もお馴染みメンバーになりつつあった。
ある日、楽屋で、由梨とたまに飲んでる。とリーダーに話すと少し驚かれた
「えっ?…それ。楓さん知ってんの?」
いや。と言うと、まじかー。こえーな。それ。と笑われた。
「いや、想像付くから言わないのよ」
俺の言葉に、あー。なるほどね。と返ってくる
「んで、行きます?一緒に。」
長年誘い続けているが頑なに首を横に振るこのおじさん。
由梨をダシにして誘うもやっぱり、いや、それは違うでしょ。とまた断られた。
「由梨がいても?2人じゃないんだよ?」
それでも食い下がるがやっぱりダメらしい。
「それにしても。由梨ちゃんお気に入りだな。」
そう言うリーダーに、まーね。とフフッと笑った
あれから由梨はたまにお馴染みメンバーからも仕事が来るらしくかなり忙しそうだ。
たまにその人達から連絡で、由梨ちゃん借りてまーす。とか来るから、いや俺のじゃないから。とニヤつく。
しのぶちゃんあたりがその辺なんか勘付いててよく言って来る
「ニノ。今日由梨ちゃん借りるね」
電話越しに絶対ニヤニヤしてるよあの人
「いや、もうそのくだりしつこいって。」
俺が笑いながら言うと、だって面白いんだもん。と言う
「はぁ。本当にやんなっちゃうからさ。その辺そっとしておくとかないの?」
えー。ない。とはっきり言うしのぶちゃんに思わず笑う
「でもね。構われているうちが華なんだよ」
意味深にそんな事を言うので、あーそー。と中身のない返事をする。
そしてその日、しのぶちゃんからまた連絡が来て今日は由梨はなんの予定もないという情報が回って来た。
いやいや。
なんの為のよ。
と思いつつも夜仕事終わりに食事の誘いの連絡をした。
由梨は二つ返事で受け入れてくれて電話を切った
今日は誰も誘ってなくて2人きりは初めてだった
またドライブでもしようかな。とか思って誰も誘わなかった。