第1章 2人の距離
その後潤くんとリーダーも戻って来てリーダーとヘアメイクを代わる頃に由梨は楽屋を出て行った
楓ちゃんはかなり嫌がっていたけど。
今しか連絡先聞けねーじゃん。
と思い携帯片手に楽屋の扉を開けるとまだ由梨は扉の前にいた
「「あ」」
思わずハモる2人の声。
そして思わずフフッと笑いながら、なんか前にもこんな事なかったっけ?というと、ですね。と返すのでまたフフッと笑って
「そうそう。俺さ。忘れてたんだけど。聞くの。」
携帯を持ちながら軽くふるふると掲げる仕草をした
「自分の教えて満足とかさ。全然意思疎通出来てないじゃんな」
俺の言葉にあはっと吹き出す由梨
そして携帯を渡すと連絡先を打ち込み返して来た
「どーも。…急な飲み会とか大丈夫?」
彼氏の事を聞いてしまった手前遠慮がちに聞くと、時と場合なんで遠慮なく誘って下さい。とニコッと笑いながら言うので、そしたら無理なら遠慮なく断って下さい。と返した。
その後じゃーな。とまた楽屋に戻った。
楽屋に戻ると皆んなが不思議そうに見る
「あれ?今出なかった?」
そう言う翔くんに、いや、煙草忘れた。と言って煙草を持ちまた楽屋を出て喫煙所に向かった。
いや、本当は吸う気なかったんだけどね。
それから数日たってもやっぱり向こうから連絡はなくて思い切って俺から連絡してみた。
電話の向こうの由梨はどこか緊張していてどんな顔してんのか想像がついて面白かった。
「由梨さー。中々連絡くれないから本物か確かめてみた。あなた、本物ね?」
笑いながら、そうですよ。と言うのでフフッと笑う
「んーとさ。これといって用事はないんだけど。…あ、そうだ!今日は飯大丈夫?俺今から何人かと飯食いに行くんだけど」
そう言って一緒に行くメンバーを言うと慌て出す由梨
それでも大丈夫と言ってちょっと強引に誘うと、確認してから連絡をくれるという。
確認
大丈夫かな。
誘ったことをちょっと後悔した。
それでも口が勝手にそんなことを言っていた
由梨が少しでも楽しんでもらえればとそんだけの気持ちで
それから程なくして由梨から行けると連絡が来たので場所を敢えて女性風にメールして送った