第3章 女主人
「あっ、うあっ」
ノアールの上になり体を揺らす。今までは受け身ばかりだったから、自分が攻める方になると新鮮で興奮した。泣きそうな顔で見上げてくるノアールに彼の求める女神様らしく微笑んで見せる。
「あっ…んっ、ノア、気持ち、いぃ?」
眉間に皺を寄せて唇を噛むノアールが、声を上げぬように口を閉じたまま必死に頭を上下に動かした。
「駄目よ、ちゃんと、言葉で言って」
私の命令に息を大きく数度ついた後に、彼は口を開いた。
「気持ち、い、です」
「…どんな風に、気持ちが、良いの?」
「っ!?」
私の更なる問いかけに彼の顔が真っ赤に染まった。唇が戸惑うように数度開いたり閉じたりを繰り返す。きっと恥ずかしいのだろう、ノアールは少しうつ向き気味で口を開いた。
「ご主人様、の、中が…熱くて、ぬるぬる、してて…奥まで入ると…」
ノアールが必死で説明をしている。私はそれを聞きながら、態と勢い良く体を落とした。ノアールの高ぶりを奥まで飲み込むと、彼の高ぶりがビクンと中で震えた。
「あぁッ」
「んっ、奥まで、入ると…なーに?」
彼を深く飲み込んだまま腰をぐりぐりと回転させた。そして意地悪く説明の先をねだる。
「おっ、く、まで…入るッ、と…すっ、吸い付く、みたいに、絡んで…ッ、う、ううっ…」
グスグスと鼻を鳴らすとノアールは瞳から涙を溢しはじめた。
「ご、ご主人さ、抜いて、くださ…俺、イきそう、で…」
「ん、イっても良いのよ?」
腰を回す度にグチュグチュと卑猥な音が鳴る。
「で、でもっ、俺、ご主人様の中に、出しちゃ、駄目って、ベルクール、さん、が…」
さっきまで楽しかったはずが、ベルクールの名前を聞いて何だか急に不快な気持ちになった。良く分からないけれど、ノアールを苛めたいと言う感情がわき上がる。
「そう、なら我慢してちょうだい」
私はノアールの肩に手を置くと、激しく上下に体を揺らした。途端にノアールが声を上げる。
「やっ、止めてッ、止めて下さっ」
「んっ、っ…ほら、ちゃんと我慢しなさい」
乳房が激しく揺れる。とうとうノアールは我慢する辛さに泣きじゃくった。もう限界なのだろう。
「うっ、ぐっ、ぁ、ご主人様、ご主人さ、ぁッ」
私は高ぶりをぎりぎりまで引き抜くと思い切り体を落とした。その瞬間、ノアールは小さな悲鳴を上げて私の中に欲望を解放した。