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ただ一つの心を君に捧げる

第3章 女主人


「凄い…こんなに濡れるんだ…」

ノアールが指を抜き差しする度にクチュクチュと濡れた音が響く。

「ん、そう、よ…ノアの、ここを受け入れられるように、しっかり、ッ…慣らして…」

私はノアールの高ぶりに触れた。するとそこはピクンと歓喜に震えた。ノアールは快感に息を詰めた後、私の言葉に頷くと中に入れた指を二本に増やした。まだ女の体に慣れないのか、触り方はたどたどしい。それでも私の指の動きを真似るように抜き差しをして、二本の指で中を探る。

「んっ、ふっ…」

ノアールの折り曲げた指の腹が触れた場所から、ビリビリと痺れるような快感が走った。

「わっ、絞まった…」

ノアールの喉が鳴る。ハァハァと荒ぶる呼吸に、彼がもう限界で私を堪らなく求めている事を知った。

「はぁ、はぁ…ご主人様、俺ッ…もう」

「挿れたい?」

ノアールは私の言葉に何度も頷いた。彼の指が引き抜かれる刺激にブルリと震える。代わりににじり寄って来たノアールが、自身の高ぶりを支えてその先端を私の入り口へと押し当てた。私はノアールにされるがまま、足を開いた。

慣れた行為のはずなのに、何だか妙にドキドキする。

ノアールは先刻の失態を繰り返すまいと自制している様だ。ノアールの先端がプチュリと私の入り口へとキスをした。その高ぶりを持つ手が緊張と期待に震えている。

「挿れたい…ご主人様…挿れたい、です。良い、ですか?」

高ぶりの先が私の入り口の前で、震えている。急くように、早く中に入りたいと訴えている。肩で息をつくノアールの頬は上気して赤く染まり、目が欲望に潤んでいた。

「だーめ」

笑って私が駄目と言うとその顔が絶望に曇り泣きそうに歪む。

「うぅ…挿れたい、です…ご主人様、挿れさせて下さっ…」

ノアールの瞳からポロポロと涙が溢れた。その泣き顔にゾクゾクとした快感を覚えた。私は泣いてしまったノアールを抱き締めた。

「ふふっ、可愛いノア…冗談よ。ゆっくり、ね?」

私はノアールの髪に口付けてから彼を解放した。ノアールは短い息を何度も吐きながら、ゆっくり、ゆっくりと自身を私の中へと埋め進めた。

「んっ、ぅ」

ノアールの熱が私の中を掻き分けて奥へ奥へと進んでくる。あぁ、今彼と私は繋がっている。そう思うと今までに感じたことの無いほどの快感が私の体を支配した。

私はノアールの背に手を回して抱き締めた。
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