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ただ一つの心を君に捧げる

第3章 女主人


春の日差しの中、心地よい風に吹かれながら私とノアは口付けを楽しむ。ノアは教えたばかりの口付けをしっかりと覚えていて、どうやら気に入った様だ。
夢中で私の口内に舌を這わせて私の唾液を美味しそうに飲み込んだ。

「ご主人さ……ぁっ」

急にノアールの動きが止まって私から唇を離した。一体どうしたのかと彼の視線を追って納得した。

「ベルの事が気になるの?大丈夫よ、ベルは執事だもの。気にすることないわ」

「でも…その…」

見られている事が気になるのだろう。ノアールはチラチラとベルクールを見ては落ち着かない様子で体を揺らした。
ベルクールを見てみれば、何の感情も表さず私達を見詰めていた。私と視線が合うと、ゆっくりと一度目を伏せて軽く頭を下げて見せる。

「私は席を外した方が宜しいでしょうか?」

「………………」

ベルクールを見ると、彼は私をじっと見詰め返した。その顔が少しでも歪めば良いと思ったのに、ベルクールは何時も通り狼狽える事なく冷静な表情をしている。その動じない姿が面白くない。

「構わないわ、そこで見ていなさい」

「ご主人様ッ…」

私はノアールの股間へと手を伸ばした。触れると悲鳴のような声が上がった。それでも私は構わずにノアールの股間を優しく撫でる。やはり先日、部屋でノアールが反応しなかったのは過度の緊張によるものだったんだろう。今のノアールのものは既に布を押し上げて硬くなっていた。

「ノア、ベルの事は石か何かだと思えば良いわ。それにここで止めてしまうと貴方だって辛いでしょう?」

「ふっ、ぅ…」

布の上からノアールの高ぶりをゆっくりと優しく、まさぐるようにして刺激する。ノアールは未だベルクールの事が気になっている様だけれど、私の言うことには従おうとしているみたいだ。
私はそんなノアールの前に移動すると、ノアールのベルトに手をかけた。金属の擦れる音、そしてジッパーを下ろすとノアールがゴクリと期待に喉を鳴らした。

「腫れて痛そうね、私が触ってあげるわ。ノアの面倒を見るのもご主人様の役目ですもの…ね?」

小首を傾げると、ノアールは赤い顔で小さくコクンと頷いた。

「…よ、宜しく、お願い、します、ご主人様…」

あぁ、何て可愛い子。ベルなんかより何十倍も可愛いノアール。私が可愛がってあげる。
私は彼の高ぶりを引き出すと、それを優しく撫でたのだった。
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