第2章 無垢な少女
『そうだ。2人ともお昼まだでしょ?一緒に食べよう?』
「お、いいね、それ」
「メルの手作りか?」
ヘンデは頷くが、テウは不安げに見てくる。
大丈夫か?と言うテウに、メルは頬を少し膨らませた。
『酷い。私の料理の腕が上がってるの知ってるくせに。テウにはあげないから』
「え」
「あーあ…」
『さ、行こう!ヘンデ』
「メルいいの?」
『いいの』
「ちょ、おい!」
テウを無視して、ヘンデの手をとり家の中へと行こうとする。
呆れたヘンデがメルとテウを交互に見ていると、メルの手を掴もうとするテウをメルがちらっと見る。
テウは動きを止め、じーー……と見つめるメルにだんだんいたたまれなくなってきた。
『……テウ』
「…………ごめん。からかいすぎた……俺もいいか?」
『……ふふ。もちろん』
メルは微笑みを浮かべテウの手をとる。
ほっとしたテウは握り返し、黙っていたヘンデと目が合う。
ヘンデはまたニヤニヤとしていた。
「……っなんだよ」
「べっつにぃ~♪にしし~♪」
「…ちっ」
2人のやり取りにメルは首を傾げる。
『?もう作ってあるから温めて食べよう。ムンドク様とテヨンも一緒に食べるから、呼んできてね』
「了解。ヘンデはテヨンを頼む。俺はムンドク様捜してくるわ」
「はーい」
『お願いします』