第2章 無垢な少女
2人を見送り台所へとメルは行く。
あらかじめできていた料理を温めながら、ふとメロディーを口ずさみ歌い始めた。
庭の木などに、鳥やリス達が集まってきた。
楽しそうに歌い、少しして味見をしてみる。
『(…もう良いかな。お皿によそおっと)』
料理を初めてやった時は酷かったが、今は普通にできるようになった。
見た目も、味も、良くなったと思う。
『……よし、出来た。あとは運ぶだけ』
「ただいま。手伝う」
『あ、みんなおかえりなさい。じゃあ、そっちお願い。ヘンデはこれとお茶碗で、テヨンはお箸とお茶のセットを運んでくれる?』
「あぁ」
声のした方を見ずにテウに言い、後ろにいたヘンデと、手伝いたくて来たテヨンに言う。
「たっだいま~。ほーい。テヨン気を付けろよー」
「うん。メル姉ちゃん、ただいま。あとで勉強教えて!」
『良いよ。片付け終わってからね』
「わかった。ありがとう!」
慣れたように手伝ってくれるみんなにメルは『ふふ…』と笑い、ムンドクがいる部屋へと4人は運ぶ。
部屋に入ると、ムンドクはいた。
『おかえりなさい。お待たせしました、ムンドク様』
「おー、ただいま。今日のも美味しそうだな。メル」
「だよね。お腹空いちゃった」
「そうじゃな」
運んでこられた料理に、ムンドクは笑顔で頷く。
テヨンも笑顔で言い、転ばないように箸などを置いていき、他の3人は素早く料理を並べる。