第10章 救い
カレンは、いつも昔のことを
くやみ、くやみすぎて行動がふと止まってしまうことがよくあった。
カレンはまた仕事を辞めずっと家にいるようになった。誰もが最初から上手くいくわけではないのに、慣れる前に投げ出しているのは周りの目から見ても明らかだった。
そんなカレンを見て母親はある日
既に大人になっているカレンの頬を平手で
叩いた。
カレンの母親はカレンに目を覚まして欲しかった。
ただどうしても娘を突き放せない自分
が原因の1つになっていることもわかっていた。
他の子供たちは手がかからなかったし、
不思議なことに突き放すことも簡単であった。
記憶の奥の奥。
暗く深い闇に後悔の渦があった。
カレンの母親は、なんとしん太の生まれかわりだったのだ。