第7章 変化と覚悟
直三が一心不乱に働きだし
さらに1年がたった。
ある日、直三の家を直三より若い年齢に
見える夫婦が訪ねてきた。しん太の両親であった。
しん太の両親は半年程前に
しん太が直三の家に居たことはわかっていたそうだが、戦でメチャクチャにされた家を建て直すのに、
今まで時間がかかったようだ。
しん太がいない事で夫婦ともに働くことができ、
しん太を迎えに来る準備がととのったようだ。
しん太はしん太の両親にあった時に
泣いていた。その顔は初めて直三の家にしん太がきた時の 今よりさらに幼い顔をしん太はしていた。
しん太はしん太の両親に引き取られた。
直三の母親はしん太が居なくなることで、また直三が不安定になるのではと危惧していた。
が、しん太自身は 満足していた。
自分の存在があったからこそ、しん太はまた両親に再会できたのだ。
直三は不安定になるどころか、自信をつけていた。
いつのまにか、直三は
自分から逃げ帰ってきていたのに
村の為に今度は自分から志願して城へ出向きたいと
おもっていた。