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虹に向かって

第6章 初めての責任



直三は心臓がバクバクしながらも母親に
話す。

「森の向こうって、ウチの村にけっこう近いやん」


千長様がおなくなりの後、
息子の高行様が領地を納めることになった。


あの合戦の時はまだ高行さまは、
元服されておらず、


さきの合戦への参加を志願したものの、
千長さまに 参加を許されなかったらしい。



千長さまがなくなった合戦から、既に五年たていた
ため 高行はすでに元服していた。


また千長につづき上皇側に支えた。



上皇側の勢力は
ほとんど衰えていたが、まだ決着はついていなかった。



直三の母親が目を伏せながら話す



「この子、昨日責められた森の向こうの村の子ちゃう?」



泥々の身体に、擦り傷だらけの足。
お腹をすかせていた。

まじまじと、その子をみて
直三は納得した。



「多分、そうやな‼」


お父さんやお母さんは、生きているのだろうか。


こんな小さい子に聞くのは酷だが、
この子を今後どうするか決めるためきかねばならない。



起きたらきこう。直三と母親はお互い目を見合せ、
頷いた。




また、この時直三は勝手に決心していた。



…もし、、この子に身寄りがなければ
必ずウチで面倒みよう。


直三は、その子の大変な状態をみて
胸がズキッといたんだのだ。






自分が逃げた千長さまの合戦、

今更ながら


もし自分が参加していれば
その子供と子供の両親とを引き離した奴くらいは 

やっつけれたかもしれない…



何故か、その子供が今一人ぼっちなのは、
自分のせいのように感じていた。
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