第1章 始まり
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長い、…長い、沈黙の後。
「………ごめん、じゅ「大野さんが好きだから?」
「………っ!」
カァッと顔が熱くなる。
頭から熱湯を浴びせられたようだった。
…突然浴びせられた潤くんの言葉は、俺の心臓を突き刺さした。
「大野さんが好きだから、ムリ?」
「………な、んで…大野さんがそこで出てくるんですか…」
必死で紡ぎ出した言葉。
勝手に、声が震える。
……こんなの、「そうだ」と言っているのと同じだ。
「……俺、いっつも。
本当にずっとずっと………ニノのこと見てた。
…だから、わかってるよ。」
俺の質問に答えない潤くん。
だけど返ってきたのはそれ以上の答えだった。
微かに微笑む彼の笑顔はあまりにも切なくて。
きっと今、誰よりも胸が痛いのは絶対的に彼なのに、その笑顔は泣きたいくらいに胸をしめつけた。