• テキストサイズ

Foll【気象系BL】

第5章 崩壊


Oside

ふるふると震えていたニノは、
俺の顔を見もせずに踵を返した。

スタスタと出て行く背中に、それでも話しかけ続ける。




今、離したらもう二度と戻ってこない。




「ニノ!
…あの夜はウソじゃなかっただろ?

俺はまだ、…ずっと、お前しか好きになれない。


…なんで、そんなに離れようとすんだよ。」




そう言うと、今にも部屋を出て行こうとしていた足がピタリと止まった。


なんで…俺たち、想いあってんのに。









やっと、通じ合えたのに。












「…あんなの本気にしてたんですか?

俺は別に…












あなたのことなんて、好きじゃない。









…早く諦めてください。

さよなら、大野さん。」





もうその瞳は潤んではいなかった。

つめたい…冷めた目で、俺を一瞥したニノは、顔色ひとつ変えずに出て行く。






まだ腕に抱きしめた感触が残ってるのに。

柔らかな唇も覚えてる。



だけど足が棒のようになって、ボンヤリと閉められたドアを見つめていた。










バタンと玄関のドアが閉まる音が頭の中に響いた。
/ 76ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp