第5章 崩壊
Nside
「……まず松潤だけど…今は、集中治療室にいる。2時間前くらいに手術が終わって、それは、成功して問題ない。」
「もんだい、ない…」
手術は、成功した。
…それを聞いて、安心して強張っていた肩の力が抜けた。
よかった。
よかった。
もしも、潤くんがいなくなってしまったら…
「…ニノ、よく聞いて。」
俯いてしまっていた頬を包み込む翔ちゃんの手。
大きな瞳がまっすぐ俺の瞳をとらえた。
「……手術は成功したけど…出血が多くて、どうなるかわからないって。
…今日が、峠だって。」
「…とうげ……?」
「ニノッ!!」
カクンと膝の力がぬけた。
どうなるかわからない…?
なに、それ。
「…んで……なんで……っ」
なんでよ。どうしてよ。
手術は成功したんでしょ?
なのに
なのに
「なんで、潤くんなの…っ」
俺だったら、よかったのに。
「ニノ…今は、松潤を信じよう…
あと、これ……」
カタカタと震えてへたり込む俺を、抱きしめてくれた翔ちゃん。
ハッとしたように取り出したそれは、一枚の、紙…?
「……ごめん、俺、読んじゃったんだ。
でもこれは、ニノが読むべきだと思うから。」