第1章 始まり
nside
「好きだ。」
「え………」
「ニノが、好き。…ずっと前から。
俺と、付き合ってほしい。」
停止する思考。
大混乱を引き起こしている脳みそは、バカみたいに何も考えられない。
好き?
潤くんが??
俺を???
「ごめん。でも、本気だから。」
一言も俺が発せない内に、絞り出すように、潤くんはそう呟いた。
ウソでしょ?
冗談やめてよ
潤くんてばホモだったの!?
…なんて、茶化したり、笑って流したり、できたらよかったのに。
一呼吸置いて、そんな言葉たちが一気に頭ん中いっぱいに広がったのに、俺はそのどれもを口に出すことができなかった。
させてくれなかった。
潤くんの目が、言葉が、仕草が、雰囲気が。
…全てが、潤くんは『本気なんだ』と、教えていた。