第4章 狂いだす
どんどん大野さんは積極的になって、俺の頬を撫でながら片手で鎖骨のあたりをスルスルとなでる
俺とは全然ちがう、男らしい骨ばった手が首筋をたどり鎖骨をなぞり…そのままゆるゆるのTシャツの中に入りかけたとき
「ちょ…ちょっ…と待って……大野さん…
ここ…がくや……」
全然力の入らない手で何とか胸板を押すけど大野さんは全く止まる気配はない
「ちょ…アッ!
ほんと…これ以上は誰か入って…ンン…っきた、ら…!」
やっと離れてくれたと思ったら今度は首筋にキスされてゾクゾクが止まらない
「も…恥ずかしいって…あっ…」
なおも何とか大野さんを止めようともがいていると、突然大野さんがガタリと立ち上がった
え
何…?
どっか行っちゃうの…?
そのままスタスタとドアの方へ無言で行ってしまう大野さん
いや、俺がやめてって言ったんだけど…
「や、やだ…っ」
何だか見捨てられたような気がして…思わず大野さんの背中にすがりついてしまった
「ん?
ふふ…だいじょーぶだから…ちょっと待って?」
大野さんはオスの顔のくせして、余裕に微笑むとおでこにチュ…チューなんかして結局行ってしまった
……なんか、オトナの余裕みたいでヤダ…
でも悔しいくらいカッコよくて、胸がキュンと締めつけられた