第4章 狂いだす
「ンン…ふぁ……あ…ン…」
チュ…チュル…
大野さんの弾力のある唇が、俺の唇にくっつく
上唇を挟むように食まれて、下唇を舌先でペロリとなめられる
それだけで俺の躰はどうしようもなく熱くなってしまう。
ずるい……逃げられるわけ、ないじゃない
俺がどれだけ夢見てきたと思ってるの?
女のコを抱いてても
潤くんと一緒にいても
…いつもいつも、頭も心も本当はあなたでいっぱいだった。
大野さんが、俺のことを好きだと言ってくれた
大野さんが、俺を求めてくれてる
その意識だけで、俺の躰は歓喜に震えてしまうんだから
こうして実際に触れられてしまえば、俺はもうどうしたってあなたから離れたくないと心が叫んでしまう
ダメなのに
俺には、潤くんがいるのに
こんなの、裏切りだ
そう頭ではわかっているのに、とめられない
罪の意識が、余計に俺を感じさせた
「ニノ…ニノ……ん……ハ…」
チュ…ンチュ…
大野さんに攻め立てられて、息苦しくて思わず開いた唇。
そこからすかさず大野さんの熱い舌が入り込んできた
「ンン…っ!ぁ……フ…ぅ…ん……」
クチュ…ジュル……
「は…好き……」
そんな切なげに俺のこと呼ばないで
また泣いてしまうから