第4章 狂いだす
「だったら…」
耳に聞こえてきたのは、ワナワナと震える声。
怒って、る…?
「え……?」
初めて、少しだけ顔を上げてみた
ニノは…涙目だし、震えてるのに
まっすぐ、俺を見つめていた
「だったら!!!
なんで…っ!なんで!!キスなんかしたんですか!!!」
ついに、決壊した涙がボロボロとニノの瞳から溢れ出す
眉間にしわを寄せて顔を赤くして怒るニノは、すごく綺麗だった
「簡単に!!!!!!
簡単に…っ!好きなんて……言わないでっ!!!」
そこまで聞いた瞬間。
「わ…っ!」
ボスッと音がするほど性急に、力いっぱい、ニノを抱きしめた
「ちょ…っ!
やめてよ!!俺の話、聞いてたの!?
だから、こういうことしないでって……ンンッ!?」
そのまま、左手は背中に回したまま、右手を後頭部に添えるともう一度俺はあの柔らかい唇にキスをした。
さっきとは違う、力強いキス
何度も何度も、角度を変えては重ねた
「ンンンッ!?ン〜!!ふ…ぁっ」
なんか俺、わかったんだ
「フ……ん…ハ…っぁ…」
どうして今まで気付かなかったんだろう
「ん…は……ニノ…」
キスの合間に名前を呼ぶと、ニノは震えた。
ニノは全身で、切ないほどに俺が好きだと叫んでた