第4章 狂いだす
Oside
少したれ気味の眉
薄い瞼に長いまつ毛
スッと通った鼻すじ
薄い唇
顎のほくろ
…眩しい首筋
何年も何十年も一緒にいるのに
何年も何十年もドキドキさせられる
白い紙と鉛筆だけ渡されたって、俺は寸分違わずに目も鼻も口も、何なら背格好まで完璧に書ける自信さえある。
そんくらい、見慣れすぎた顔
なのに、なのにこうやっていつまでも変わらないその顔を見てるだけで、心臓が痛くてしかたない
この痛みを抱えてもう何年だろう。
わかんないくらい、昔から。
俺は、本当にニノが好きだった
…その気持ちは今も変わってはくれなかった。
それどころか、年々増してもう俺の手にはおえねぇくらい。
多分、これからも。
俺は、もう他人のモノになってしまったお前を想い続けるんだろう。
俺じゃないやつと笑いあって
俺じゃないやつを想うお前を
俺はこれから先。
ずっと、側で見続けなきゃいけないんだ。
たまらなかった。
…なんて地獄なんだろう。
すぐ横にある温もり。
大好きなその顔が、歪んでいく。
俺の頬を伝ったそれは、ニノの頬にポタリと落ちた