第3章 交錯
Nside
「え………」
あまりにもビックリして、硬直してしまう。
翔ちゃんの腕は俺を強く抱きしめる。
「…ニノ。
俺は、お前の味方だから」
そう言うと、完全に胸に埋もれてた顔を少し離されて、覗き込まれた。
超至近距離で視線が絡み合う。
大きな瞳は優しく弧を描く
「………なんで…?
……潤くんとのこと…反対してたんじゃないの?
なのに、なのに急に大野さんに気持ち伝えろ、とか…」
わからない
翔ちゃんがどういうつもりなのか
「…今言ったろ?俺はニノの味方だって。
だからさ、俺はニノに幸せになってほしいだけだよ。」
照れたように眉を下げて微笑む翔ちゃん
…やっぱりわかんない
俺に幸せになってほしい、とか
それと大野さんに気持ち伝えることと何の関係があるのか、とか
…色々、訳わかんないのに翔ちゃんがあんまり優しい瞳で俺を見るから
「ふふ…泣くなよ。」
「バカ……翔ちゃんの、せい、なんだから…」
勝手に、目から何か出てしまって…中々止まってくんなかった