第3章 交錯
Nside
翔ちゃんの大っきい手が子供をあやすみたいに、ポン。ポン。と俺の背中を一定のリズムで叩く
ちょっと恥ずかしかったけどそれが気持ちよくてそのまま翔ちゃんの胸に顔を埋めた
「…翔ちゃんの匂いがする。」
「えっ!くさい!?」
途端に慌てた翔ちゃんがグイッと俺の体を引き離した
「んふふ…落ち着く」
「へ…」
ポカン、としている翔ちゃんに今度は自分から抱きついた
思いっきり息を吸い込むと、香水の匂いに混じって翔ちゃんの匂いがする。
翔ちゃんの手は今度は俺の頭に乗っかって。
そのままサラサラと俺の髪を梳きはじめる。
「あのね…男同士だとかメンバーだとか、世間的には認められないかもしれないけど…
俺は、ニノが本気なら、応援するよ。…もちろん松潤の気持ちを否定するつもりもない。」
穏やかな口調でフワフワと撫でられると、せっかく止まった涙がまた出てきそうだった
「ただ…ニノに苦しんでほしくない。今のニノは、俺にはすごく苦しそうに見える。」
…なんで、翔ちゃんはわかるんだろ
俺は何も言ってないのに
いつもは詮索されんのも、ズカズカ土足で入ってこられるのも大っ嫌いなのに
わかってくれる人がいる
…それだけで。俺は…
「…つぶれちゃう前に。
こういう風にさ、せめて俺にだけでも吐き出してよ。
…ニノはさ、もっともっと甘えていいんだよ?」
…せっかく我慢してたのに、結局また、俺は泣かされた