第3章 交錯
「…ニノもさ、わかってるでしょ?」
翔ちゃんの瞳が俺を見透かす。
こういう時の翔ちゃんって、怖い。
…だから俺は、知らないフリをする。
「…何をですか?」
「……ニノにとっても、松潤にとってもよくないって。」
…やっぱり。
「…つまり、別れろってことですよね。」
「…そうだね。」
潤くんと一緒にいるって決めた時、一瞬よぎった心配。
メンバーに反対されるかもしれないってこと。
…それはどんどん現実になってく。
そりゃそうだよね。
そもそも一般的に男同士ってことが受け入れられるようなことじゃない。
それも20年近くも一緒にやってきた運命共同体がさ、グループ内恋愛なんて
大切に大切に積み上げてきたものを一瞬で崩すかもしれないこと
いつだって正しい翔ちゃんはやっぱり正しい
…でもさ、なぜか俺はそれでも、それでも翔ちゃんなら笑って
おめでとう
そう言ってくれるって思ってた。
…本当におめでたいよね。