第3章 交錯
Nside
「えっと…ちょっと待って!」
「翔ちゃん…これ……」
目の前には、バタバタと床に散らばる服やらナニカの袋やらを足でよける翔ちゃんの姿。
…いやてか、汚すぎでしょ
「…よくココに人を呼ぼうと思いましたね。」
撮影終わり、なぜか翔ちゃんによる空いてるかと聞かれ、別に暇だったので暇だと言った。
…そしてなぜか今に至る。
「いやいやいや、いつもはもうちょい綺麗だから!
今はアレだよ…たまたま!」
「んふふ…そうですね、きっとたまたまなんですよね笑」
「そうだよ!笑
じゃあ、その辺適当に座ってて?」
笑いながらあけてくれた場所にありがたく座らせてもらう。
…本当、翔ちゃんって完璧すぎないとこが魅力だよね笑
頭がよくて、まじめで、気配りができて、イケメンで…だけど掃除は苦手で、実は不器用だし…笑
…でもさ、何よりも翔ちゃんって本当に優しいの。
冷蔵庫を覗いてる翔ちゃんの背中を見ながら、苦笑してしまう。
…今日もきっと、俺のために夜あけてくれたんだよね。
いつもきっちり予定を決めてるアナタが今夜たまたま空いてた、なんてありえない。
…頭がよくて周りをよく見ているアナタには、俺が悩んでることなんてきっとお見通しなんだろうな。