第3章 交錯
Nside
本当は今日、潤くんに話をするつもりだった。
相葉さんに言われたとおり、やっぱり俺の目は大野さんをいつもいつも。探してしまう。
…このまま潤くんを俺に縛り付けることはすごく酷いことだって気付いたから。
……だけどさっきの潤くんを見て、そんなの俺のエゴなんじゃないかって。
俺は大野さんを忘れられない。
だから潤くんと離れる。
でもそれって、本当に潤くんのため?
潤くんのためだと言いながら、…自分が苦しいから、善人ぶって逃げてるだけなのかもしれない。
……潤くんは、大野さんを好きな俺ごと受け入れてくれた。俺が欲しかった愛も優しさもたくさんくれた。
苦しいだけじゃなかった。
楽しい時も嬉しい時もあった。
寂しい時は隣にいてくれた。
…たとえ心は大野さんに向いていても。
どうするのが正解なんだろう。
潤くんを放してあげるのが本当の優しさ?
それともこのまま一緒に居続ける?
俺はいつも俺が信じた道を歩いてきた。
正解なんてないって知ってたから。
だけど今、俺は俺を信じられない。
…眠れない夜なんて、本当に存在するんだね。