第3章 交錯
Oside
「…でもさ、大野さんも、ニノのこと好きでしょ?」
「…つまり牽制ってこと?」
…やっぱり気付いてたんだね。
ニノを見ている俺を見る松潤の突き刺ささるような視線。
ここ1カ月、ニノは全然俺に寄り付かなくなってずっと1人でゲームしてた。
いつもはニノの方から俺にくっついてくれてたから、無意識で目で追うことはあってもそこまで意識的に見ることってなかった。
けど何だか様子のおかしいニノが心配で、ボンヤリしてるニノをこっそり見つめるようになった。そんな時、必ずと言っていいほど感じる刺すような視線。
パッと目をあげればやっぱり皆それぞれのことをしているんだけど、しばらくジッと観察してみると俺と同じように視線がニノの一挙一動を追ってしまってて…
それは松潤だった。
「まさか!!そんなことしないよ笑」
笑ってヒラヒラと手を振る松潤はこの場には似つかわしくないほど明るく、軽妙に笑った。
「別に俺はね、もうニノは俺のもんだから手出すなって言いたかったわけじゃないよ。」
「じゃあ、何でわざわざ俺に…」
理解できない。
だったら、何でわざわざ俺に話す必要があったのか?
「ただ、俺はニノと付き合ってるって宣言しときたかったの。
別に大野さんが奪おうとしても、諦めても、どっちでも俺は構わない。…どっちだろうと、俺は簡単にニノのこと手放すつもりはないから。」