第3章 交錯
Nside
「え……」
俺がポロポロと零す衝撃的で最低な話を黙って聞いてくれてた相葉さん。
だから、突然投げこまれた言葉に驚いた。
ふと見上げた相葉さんの表情からは何の感情も読み取れなくて…怖い。
「だってニノ…松潤に優しくされるとツラいんでしょ?」
「…うん」
生まれて初めて、人の優しさが痛いと思った。
メロドラマなんかでよく聞くような安っぽいセリフだって思ってたのに。
「それってさ、松潤に申し訳ないからでしょ?
自分は他に好きな人がいるのにーって…優しさとか好きって感情をどんなにもらっても、返せないからニノはつらいんじゃないの?」
…何も、言えなかった
俺の目をまっすぐ見つめる相葉さん。…潤くんも、相葉さんもそう。捻くれた俺の周りにはなぜかキレイな人ばかり。
純粋な瞳で射抜かれると、俺はいつも逃げ出したくなる。
…俺がわざと目を逸らしてきたことを必ず突きつけられるから。
「お試し期間だって言ってたけど……ニノの中で答えはもう、出てるんじゃない?」
ドンっと胸を突かれた気がした。
…相葉さんに言われて、気付いた。……でも心のどっかで、多分俺は最初っからわかってたんだ。
大野さんのこと、忘れられるわけなかった