第3章 交錯
aside
「ごめん相葉さん、こんな時間に…」
もうすぐ日付が変わる頃。突然現れたニノ。
…ほら。やっぱりおかしい。
いつもなら
『相葉さんが寂しいだろうと思って、ニノちゃんが慰めにきてあげましたよー?笑』
とか何とか言いながらニコニコ、ニコニコ、嬉しくて仕方ないって顔して勝手に押し入ってくるくせに。
「…いや、俺もまだ飲んでたとこ!
ほら、続き付き合ってよ笑」
…そんなにしおらしくされたら、…優しくしちゃうじゃん。
「ん…ありがと。」
ヘラっと笑ってビールを受け取る。
思いつめたような顔して、チビチビ飲んでる姿は『悩んでます。』ってオーラがダダ漏れ。
そんなにわかりやすく弱らないでよ。
どんな時も誰にも弱みを見せないのがお前だろ?
…俺だけに見せてくれるソレが嬉しくって、俺はまた勘違いしそうになる。
もしかして、ニノも俺と同じ想いなんじゃないかって。
…そんなことありえないって、一番わかってるのにね。
バカな俺は分かりきってる現実から目を逸らして夢を見る。今だけはお前の特別は俺なんだって。
…優しいフリして、俺がそんなこと考えてるなんて、お前が知ったら何て言うかな?
そんな勇気、ないくせにね。今日も俺は優しいフリ。
「ニノ、…どうしたの?」