第2章 甘くて苦い
Nside
想定外の刺激にビックリしてフッと瞳を開けば、まだ目の前にあったウソみたいに整った顔。
「ふふ……キス、してほしかった?」
「な……っ」
途端、事態を理解した俺はカーッと顔が燃えるように熱くなる。
は…っずい!!!
あんまりにもあんまりすぎる乙女チックな勘違いに顔どころか全身の血が沸騰する。
見えなくとも確実に全身ゆでダコのように真っ赤であろう自分がまた恥ずかしくてまた体中が熱くなる。
「あーも〜……っ!
からかわないでよ……っ」
チュッ
「〜っ!!!」
「…お待たせ♪」
意地悪く弧を描いた大きな瞳は今度こそ唇に触れて、ゆっくり、離れてく。
もう限界まで赤くなっていた俺は羞恥のあまり震えるしかなかった。
「く…プッ……あははははっ!笑
ニノ、真っ赤!」
「もうっ!!しょーがないでしょっ!
潤くん、笑いすぎっ!!!
大体潤くんこそ、こんな少女マンガの王道みたいなことする人、現実世界で初めて見ましたよっ!!」
もう恥ずかしすぎる俺はベラベラ喋りまくって悪態をつくしかなくって、でもそんな俺まできっと潤くんにはお見通しで。
…悔しくって、俺はまた赤くなるしかないんだ。