第2章 甘くて苦い
Nside
潤くんが作ってくれたジャガイモとハムをチーズであえて、ナントカっていうソースをかけた小洒落たおつまみ。
俺には絶対できねぇなぁ…なんて、感心しながらその美味しいツマミを頂く。
そもそも作ろうなんて気にならないもんな、俺は。
黒の腰に巻くタイプのエプロンの紐をほどきながらようやく席に着く彼に、素直に感想を告げる。
「潤くん、これうまい!」
「そりゃ、よかった。……これ、初めて作ったから。ニノが好きそうだなぁと思って…」
ほらね。俺のなんの変哲も無い言葉にも、照れ笑いなんて浮かべて可愛いこと言っちゃう可愛らしい潤くん。
「潤くん、やっぱり料理上手だよねぇ〜…俺、絶対こんなんできないもん笑」
「何言ってんの笑
本気出せば嵐ん中じゃ、本当はニノが一番料理できるだろ笑
…あ……ニノ、ソース。」
「へ……?」
クスクス笑ってれば、急に整った顔が近づいてきて思わずピクリと肩を揺らす。
キス、される…
そう思ってキュッと目を瞑れば、一呼吸置いて、耳元でクスリと聞こえた声。
身構えていた唇には何も触れず、代わりにペロリと唇の端を舐められた。