第2章 甘くて苦い
Mside
同じ男とは思えないほどに柔らかな体を抱きしめて密着すれば、嫌でも熱くなる体。
口から漏れ出る控えめな喘ぎ声はますます俺を煽る。ほぼほぼ0に等しいキョリで見つめあえば愛おしさが溢れ出してたまらない。
「は…あ………じゅ、く……」
「…………っ!!!」
ドクリ。
俺の心臓を鷲掴む声。
唇の端からどちらとも分からない唾液がつたった。
ヤバイ……
とまらなく、なる
「ンっ……」
ベロリとそれを舐めとると、ゆっくりと熱くなった体を離した。…このままじゃ、おかしくなりそうだった。
大切な大切な愛おしい人。壊すわけにはいかない。
「じゅん…くん………」
力が抜けたニノがフニャフニャと床にへたりこむ。
…俺のキスでこうなってるんだという事実が俺の支配欲をムクムクと膨らませる。
お互いの唾液でテラテラと光る唇はどこまでも俺を誘い込んでクラクラさせた。
「ん……ちょっと待ってて。」
「んふ……潤くん、はげしー…よ…」
力の入らないニノを抱き上げて彼が気に入ったというフカフカのラグに下ろす。クスリと笑うニノは余裕であっという間に立場逆転だ。
心臓がバクバクと早鐘を打つ俺は艶やかな瞳で、蕩けた声で、妖艶に微笑んでいるだろう顔をどうしても見ることができなかった。
…今、あの瞳に吸い込まれれば間違いなく俺は壊してしまうから。