第2章 甘くて苦い
今日も潤くんの車に乗って向かう先は彼の家。
「お邪魔しまーす笑」
「ふふ、どうぞ笑」
初めの頃は、それこそ緊張して明らかに固かった自覚があった。
…けど通い詰めてる甲斐あって、もはや最近、この独特の家具も空気も…潤くんにも。慣れつつあった。
「なんか適当にツマミ作るから、座ってて??
…はい、ビール。」
キッチンから出てきた潤くんは既にエプロンつけてて、イケメン度が増しまくってる。
優しいイケメンくんから有り難くビールを受け取ろうとした時。
「ありがと……ンッ…!」
そのまま差し出した手はグッと引き寄せられる。
反射的にギュッと目を瞑ると同時、唇にあたたかい感触。
バランスを崩した体は待ってましたと言わんばかりに彼の胸に着地する。
「ん、ン……ハ……」
軽く触れたはずの唇は何度も角度を変えて重ねられる。
俺の薄い唇とは真逆の潤くんの肉厚なソレがはむはむと食むように口づける。
「ンン…んっ…ふ……ぁ…」
息つく間もなく続けられる熱いキス。
徐々に上がってくる息。
思わず空いた隙間に、すかさず熱い舌が差し込まれた。
「んン…ッ!ふぁ……ぁ」
「は……ニノ………ん…」
俺の口中を蹂躙する舌に為すすべもなくヘナヘナと力が抜けていく。
熱い吐息と共に名前を呼ばれて、薄っすらと目を開くと至近距離で同じように見つめる潤くん。
潤くんの目が熱くて、…『好き』が溢れ出してて…ゾクリとうなじが粟立った気がした。